Apple Watchアプリを単体で作った後に、
「よし、次は iPhone 版も追加しよう」と思って詰んだ人はいませんか?
自分は、まさにそれでした。
Apple Watch専用アプリとして先にリリース。
ユーザーも付き、評判も悪くない。
自然な流れで「じゃあ iPhone 版も作ろう」と思ったんですが──
ここからが地獄の始まりでした。
Xcode的には「できそう」に見える。
でも App Store Connect にアップロードすると、こう言われる。
・Bundle ID は変更できません
・Watch単体実行の設定は戻せません
・Watch App / Extension の構成は変えられません
・同一アプリのままユニバーサル化はできません
「え、そんなの聞いてない…」
Apple Watch専用で出したアプリを、
同一Bundle IDのまま
iPhone + Watch に拡張する。
──これが、実質的に不可能です。
特にきついのが、
一度「スタンドアロンWatchアプリ」としてリリースしたものは
同一商品(同じBundle ID)のまま
iOSアプリを追加できない
という事実。
これ、公式ドキュメントをいくら読んでも
はっきりとは書いてありません。
じゃあ詰みなのかというと、
実は Apple はいくつかの「正規ルート」を用意しています。
その代表例が App Bundle です。
ただし重要なのは、
Appleが本当に見ているのは
「技術的にどう作ったか」ではなく、
同じストアフロントに、同じ体験のアプリが
同時に並んでいないか
という点だ、ということでした。
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ここからは、
・なぜ「同一Bundle IDでのユニバーサル化」がダメなのか
・Watch App / Watch Extension がロックされる理由
・AppleがApp Bundleを作った本当の目的
・既存のWatch購入者を損させずに移行する正解ルート
・価格設計を間違えるとレビューが荒れる理由
・実際に自分がどこで弾かれ、どう判断を変えたか
を、実体験ベースで全部書きます。
同じ状況の人が
「無駄な数日〜数週間」を溶かさずに済むように。
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【有料】なぜ同一アプリのままユニバーサル化できないのか
Apple Watchアプリは、
iOSアプリとは構造がまったく違います。
Watchアプリは実体として、
・Watch App(見た目)
・Watch Extension(ロジック)
の 2ターゲット構成になっていて、
これが一度App Storeに出ると **ほぼ固定**されます。
特に問題になるのが:
・スタンドアロン実行フラグ
・Watch App / Extension の Bundle ID
・iOS側が「起動禁止スタブ」だったかどうか
これらは
後から変更できない項目です。
Xcodeでは切り替えられるのに、
App Store Connectでは拒否される。
このギャップに、ほぼ全員ハマります。
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Appleが用意した「公式ルート」が App Bundle
Appleはこう考えています。
技術的に無理なものを
無理やり1つにまとめるな
その代わり
ストア体験だけを1つにしよう
それが App Bundle です。
App Bundleの本質はこれ:
・中身は完全に別アプリ
・Bundle IDも別
・審査も別
でも、
・App Store上では1つのアプリ
・検索結果も1つ
・レビュー・評価も共有
・既存購入者は追加課金なし
「ユーザー体験だけを統合する仕組み」です。
Watch専用アプリを先に出してしまった人のために
用意されたと言っていいレベルで、
今回のケースにドンピシャでした。
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実際にたどり着いた結論(これが正解だった)
自分が最終的に選んだ構成はこれです。
・既存
・Watch専用アプリ(そのまま残す)
・新規
・iPhone + Apple Watch アプリ(新Bundle ID)
・この2つを App Bundle で束ねる
これで:
・既存Watch購入者は iPhone版も無料で使える
・新規ユーザーは「Wherewalk」という1つのアプリとして認識
・ストアフロント制御により、ユーザー体験上はWherewalkが1つとして扱われる
無理に「同一Bundle ID」にこだわるより、
圧倒的に安全で、長期的に楽でした。
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Appleが本当に見ているポイント
問題にされたのは、
・同じ体験のアプリが
・同じ国・地域で
・同時に配信されていること
つまりAppleにとって重要なのは、
「中身がどう作られているか」よりも
「ストア上でユーザーがどう見えるか」でした。
そのため、
・既存Watch専用アプリを
すべての国で「在庫状況:なし」にする
・その上で、新しいユニバーサルアプリを提出する
という方法も、
Appleが明示的に案内している正解ルートの1つでした。
価格設計で荒れないためにやったこと
ここも超重要です。
結論から言うと:
・Watch専用:500円
・iPhone + Watch:500円
・App Bundle:500円
これが 一番荒れません。
値上げもせず、
「待ってた人が得する」状態を作る。
レビュー平和度が段違いです。
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この記事を書いた理由
この記事は、
・Apple Watch専用で先に出した人
・将来iPhone対応を考えている人
・すでにApp Store Connectで弾かれて心が折れかけている人
のために書きました。
これ、
実際に通らないところまで行かないと分からない話です。
もし過去の自分がこの記事を読めていたら、
かなりの時間を節約できたと思います。
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最後に(重要な教訓)
・Watchアプリは「後からiOSを足せばいい」は危険
・1%でも可能性があるなら最初からユニバーサル前提で
・すでに出してしまったなら、App Bundleが正解ルート
同じ罠にハマる人が
1人でも減れば嬉しいです。